細野晴臣『地平線の階段』「新たな平野が拡がる」

2019.04.12 Friday 23:30
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    細野晴臣大瀧詠一松本隆鈴木茂による伝説のバンド、はっぴいえんど
    彼らがそうであったように、世の中にその存在を広く知られていくのには、時間がかかる。

    新しい音楽に触れていたであろう松任谷由実(当時は荒井由実)でさえ、はっぴいえんどをリアルタイムには知らなかったらしい。

    小山田圭吾小沢健二小西康陽を中心とする渋谷系が、はっぴいえんど、小坂忠などによるオリジナリティの高い猿真似ではない音楽を敬愛する、平成初頭を迎えるまで(はっぴいえんど解散の1972年から)かなりの時間差があった。

    昨日の記事にも書いたように、はっぴいえんど解散後、「…はて?」と小休止があった細野さん。YMO結成まで、細野さんにしか分からない苦労、紆余曲折があったと思う。

    しかし悲観的でなく、楽観的なのが細野さんの細野さんたるゆえんだろう。
    大好き。まるで『老子』や『荘子』の世界観。

    今年はYMO結成から40周年。
    記念すべき年だが、40年前に出版された細野さんの本『地平線の階段』から、こんな文章を引用します。

    新しい歩みを始めた私にとって、この文章は沁みます。そして「その通り」と肯首。
    (以下、引用始)
     
    平野に出ると、そこをひととおり眺めまわす。
    すると必ずそこに階段を見つけてしまう。
    見つけなければ楽なのだが、見つけてしまう。
    階段を見つけたら、それを登っていかなくては気が済まなくなる。
    で、登っていく。
    雲を突き破って行くと、そこにはまた新たな平野が拡がる。
    その平野は見るもの聞くもの新しく、
    新鮮で刺激に溢れ、情感を揺り動かされ、
    このような平野があったのかと驚かされる。
    細野晴臣『地平線の階段』(1979年)

    地平線の階段
    category:Music | by:坂本ヒロミツ | - | trackbacks(0) | -
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